「自社の商品を預ける倉庫を探しているが、種類が多くてどれを選べばいいかわからない」
「発送代行を依頼したいが、どのような設備を持つ業者が最適なのか知りたい」
物流業務のアウトソーシングを検討する際、このようなお悩みをお持ちではありませんか?
倉庫には法律上の分類から、機能・役割による分類まで、実に多くの種類が存在します。しかし、ビジネスにおいて重要なのは「自社の商品を安全に保管し、効率よく発送できる環境はどこか」を見極めることです。
本記事では、倉庫の基礎的な分類はもちろん、「在庫管理」や「発送代行」を依頼するプロの視点で、失敗しない倉庫(委託先)の選び方を解説します。
「倉庫の種類」の基本を理解する|「法律・温度帯」による違いとは
倉庫を選ぶ際、最低限知っておきたいのが「何を保管できるか(法律)」と「どのような環境で保管するか(温度)」というハード面のスペックです。
営業倉庫の分類(1類~3類・野積場など)
日本の倉庫業法では、保管する物品の性質や倉庫の設備基準によって、以下のように分類されています。
一般的なECや販促品の保管であれば、「1類倉庫」が該当するケースがほとんどです。

温度帯による分類(常温・冷蔵・冷凍)
食品や化粧品などを扱う場合、温度管理は品質保持の生命線です。物流業界では主に「3温度帯」と呼ばれる区分が用いられます。
● 常温(ドライ) 特に温度調整を行わない倉庫。日用品、アパレル、紙製品、常温保存可能な食品などが対象です。
● 冷蔵(チルド) 10℃以下~-5℃程度で管理される倉庫。生鮮食品、乳製品、一部の化粧品などが対象です。
● 冷凍(フローズン) -15℃以下で管理される倉庫。冷凍食品、アイスクリーム、冷凍素材などが対象です。
定温倉庫の重要性 「常温」といっても、夏場の倉庫内は高温多湿になることがあります。
チョコレートやワイン、変質しやすい化学製品などは、常温倉庫ではなく、一定の温度・湿度(例:20℃前後)に保たれた「定温倉庫」を選ぶ必要があります。
ビジネスの形態で変わる!「機能・役割」による倉庫の種類
法律上の分類とは別に、物流の実務においては「その倉庫で何をするか(機能)」によって呼び方が変わります。委託先を探す際は、こちらの分類の方が重要になるケースが多いでしょう。
DC(ディストリビューションセンター:在庫型物流センター)
Distribution Centerの略。商品を倉庫に「保管(在庫)」し、注文が入るたびにピッキング・梱包して出荷する機能を持ちます。
●用途: EC通販、メーカーの物流拠点、販促品の管理など
●重要ポイント:
・在庫保管コストや保管スペースが必要
・長期間商品を預けるため、在庫管理の精度が求められる
TC(トランスファーセンター:通過型物流センター)
Transfer Centerの略。在庫を持たず、納入された商品を仕分けし、すぐに次の配送先へ積み替えて出荷する機能を持ちます。
●用途:商品を保管せず仕分けして即出荷(クロスドッキング)
(例)コンビニやスーパーへの一括納品
●重要ポイント:
・保管コストを削減し、リードタイムを短縮できる
・スピーディーな対応となる為加工や付加価値は付けられない
PC(プロセシングセンター:流通加工センター)
Processing Centerの略。商品の保管や配送だけでなく、「流通加工」を主に行う拠点です。
●用途: 商品に付加価値を付ける加工を行う
(例)ギフトラッピング、値札付け、ラベル貼り、セット組み(キッティング)、・検針(アパレル)
●重要ポイント:
・流通加工により販売促進や顧客満足度を高める
・柔軟な対応が可能だが、加工工程によりリードタイムやコストが増加
【DC・TC・PCの機能比較図】

失敗しない!目的別・倉庫(委託先)の選び方
ここまで倉庫の種類を見てきましたが、実際に委託先を選ぶ際は「自社のビジネスモデル」に合わせて選定する必要があります。 よくある3つのパターン別に、選ぶべき倉庫の特徴を解説します。
1. EC・通販事業の場合(BtoC)
個人のお客様へ商品を届けるEC事業では、「DC(在庫型)」の機能が必須です。
●選ぶべき倉庫:
・1点単位の細かいピッキングに対応している
・WMS(在庫管理システム)が完備されており、誤出荷が少ない
・ギフト対応やチラシ同梱などの柔軟性がある
●注意点:
繁忙期(セール時期など)の出荷波動に対応できる人員体制があるかを確認しましょう。
2. キャンペーン・販促品管理の場合(スポット利用)
「キャンペーンの当選者に賞品を送りたい」「イベントで使うノベルティを一時的に保管したい」といった場合です。
●選ぶべき倉庫:
・短期間のスポット利用が可能。
・PC(流通加工)機能があり、当選通知書の封入やセット組みができる。
●ここに注目: キャンペーン運用では、賞品の発送だけでなく「応募者からの問い合わせ対応」も発生します。倉庫会社とコールセンター会社を別々に契約すると管理が煩雑になるため、「事務局機能(問い合わせ対応)」と「発送代行」をワンストップで依頼できるパートナーを選ぶのが成功の鍵です。
3. 文書・機密情報保管の場合
契約書やカルテ、経理書類などを保管する場合です。
●選ぶべき倉庫:
・セキュリティ設備(監視カメラ、入退室管理)が強固である。
・プライバシーマーク(Pマーク)やISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得している。
・溶解処理(廃棄)まで一貫して対応できる。

「箱(倉庫)」よりも重要?「在庫管理・運用力」を見極めるポイント
良い倉庫(建物)を選べば物流がうまくいくとは限りません。倉庫はあくまで「箱」であり、重要なのはその中で行われる「管理・運用」です。 委託先を見極める際は、以下の2点を必ず確認してください。
WMS(在庫管理システム)の有無と連携
「今、何が、いくつあるか」がリアルタイムで分からない倉庫は避けるべきです。
・WMSの導入: バーコード管理などで、人的ミスを防ぐ仕組みがあるか
・データ連携: 自社の受注システムやCSVデータとスムーズに連携できるか
スタッフの質と業務フロー
システムを使うのは最終的に「人」です。
・整理整頓が行き届いているか(5Sの徹底)
・スタッフへの教育体制が整っているか
・イレギュラーな事態(急な出荷依頼など)に柔軟に対応してくれる担当者がいるか

倉庫選びは「物流パートナー選び」
倉庫の種類は、法律上の分類だけでなく、「自社が何をしたいか(保管・発送・加工)」によって選ぶべき施設が変わります。
●EC・通販なら: 細かい出荷作業に強いDC機能を持つ倉庫
●キャンペーンなら: 事務局機能や加工機能(PC)を併せ持つ倉庫
●書類保管なら: セキュリティ重視の倉庫
株式会社マイナビサポートでは、単に荷物をお預かりするだけでなく、お客様のビジネス課題に合わせた最適な物流ソリューションをご提案します。
●在庫管理・発送代行: マイナビグループのノウハウを活かした高精度な管理
●流通加工: ラベル貼りから複雑なセット組みまで対応
●事務局BPO: 発送業務とセットで、問い合わせ対応やデータ入力まで一括受託
「自社に合う倉庫がわからない」「発送業務と事務局をまとめて頼みたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
倉庫選びは、物流効率やコスト削減を実現するための重要なステップです。種類ごとの特徴を理解し、自社の事業内容や配送体制に合った倉庫を選ぶことで、競争力のある物流体制を構築できます。本記事で紹介した選び方のポイントを参考に、最適な保管・発送環境を検討してみてください。

